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3:「市民」のあるべき姿とは(梅棹忠雄の場合) [市民のあるべき姿とは]

先日、『暗黒のかなたの光明ー文明学者梅棹忠雄がみた未来』が放映された(NHKのETV特集)。

梅棹忠雄の未刊の書籍「人類の未来」が取り上げられ、荒俣宏がナビゲーターとなって番組が進められた。

未来を暗黒の世界にとどまらせるのか、それとも、光明の世界に導くのか、そのカギとなるものは何かが問われていた。


梅棹は「文明の暗黒にさし込む光となりうる」のは「市民の力」と考えていた。知的生命体である人間の個々人の「英知」、選択する力が未来を生み出すと考えていたようだ。

「アマチュア思想家宣言」(1964)には次のように記されているという。

「思想はつかうべきものである。思想は西洋かぶれのプロ思想家の独占物ではないのであって、アマチュアたる土民のだれかれの自由な使用にゆだねるべきである。プロにまかせておけない。アマチュア思想道を確立すべきである」

さらに「近衛ロンドの5年間」(1970)には次のように記されているという。

「歴史はだれか他人がつくるものではなくて、わたしたち自身がつくるものだ。わたしたち自身がいまやっていることがすなわち歴史である。」


荒俣が、梅棹の薫陶を受けた小長谷有紀さんにインタビューし、梅棹のそうした言葉の真意をただしていたのだが・・・

要するに、ある文明における制度や装置といったものには、やがてほころびや亀裂が生じるものだが、それら制度や装置を維持している「プロ」たち(たとえば、政府、企業家etc)がそれらの改・変革をおこなうのはムズカシイ。なぜなら「プロ」である彼らはそれらの制度や装置を維持するのが本来の務めであり、また、そこから便益を得る立場にもあるからである。それら制度を検証し抜本的に変えていくためには「プロ」ではない人々(つまりアマチュア)の果たす「英知」がもとめられている・・という話であった。

ここで言う「プロ」ではない人々を「市民」と考えてよいと思うのだが、先にあげた鷲田清一さんの話も併せて考えると、「プロ」にまかせきりで「安心してシステムにぶら下が」っているだけの「消費者」のような存在に成り下がった状態のままで、社会の「主」たるべき「市民」があるのであるなら、現代文明はやがていやおうなく破局を迎えることになるということになるようだ。
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2011-06-14

われわれ一人一人にはたいへん重い責任がゆだねられているということである。


もっとも、聖書を学んでいる当方の立場からするなら、「市民」が「英知」を発動し破局へと向かいつつある巨大艦船のような現在の文明を押しとどめようとするのは(その心意気は買うものの)、いわば「蟷螂の斧」であり、沈んでいく船にペンキを塗るようなものである。聖書予言の示すところによれば、現在の文明はまもなく終わりを迎えることが確実であるからだ。

番組中、山折哲雄さんも出演し、「ノアの箱舟」のはなしが出ていたが、ちょうど「ノアの日」と同じような地球的な大変動が生じ、創造者の目から「義」とみなされる人は生き残り、「不義」とみなされる人は滅びることになる。その生死の選択は、各個人が創造者:神との関係を考慮し、どのような生き方を望み選択するかにかかっていると聖書は教える。

「ノアの箱舟」に関しては誤解されることが多いようだが、神は(このたびの地震・津波災害のように)突然洪水をもたらしてノアとその家族以外を滅ぼしたわけではない。巨大なビルのような箱舟を建造することは、神からの災厄の到来を当時の人々に示すものとなったであろうし、また、聖書はノアを「義の伝道者」と呼び、彼がひとびとに長期間にわたって神の義について伝道し警告していたことを暗示してもいる。(ペテロ第二2:5)

そのときの人々の反応とこれから生じる災厄に関しては次のようなイエスの予言の言葉がある。

「洪水前のそれらの日、ノアが箱舟に入る日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていました。そして、洪水が来て彼らすべてを流し去るまで注意しませんでしたが、(地球的な、そして生き残りをかけた災厄がふたたび生じるときも)そのようになるのです」(マタイ24:37)

“今日でも世界的な警告の活動はなされている”。神からくる警告を「注意」識別し、それに注意をはらい従うことが生き残るためには肝要なのだが、それは各個人の選択にまかされている。「食べたり飲んだりめとったり嫁いだり」といった日常生活にかまけていると創造者からの親切な配慮がなされていることに気付かず、気付いたとしても考えなしに退けるということにもなりかねない。要注意である。

「王国のこの良いたよりは、あらゆる国民に対する証しのために、人の住む全地で宣べ伝えられるでしょう。それから終わりが来るのです」(マタイ24:14)


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