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「時を止めた男の教え」鏑木毅(トレイルランナー) [健康関連]

『日経新聞』(6・25)の「スポートピア」に目がとまった。トレイルランナー鏑木毅が書いている。

「トレイルラン」とは、ひとむかし前の言葉でいうなら、「クロスカントリーレース」になるのだろうか。

当方は、読んで、山岳宗教の修行や「千日回峰行」を思い浮かべてしまったのだが・・

世界にはスゴイ競技があり、また、スゴイ人がいるものである。

(以下は、その全文引用)

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6年前の衝撃は深く脳裡に刻み込まれている。初めて参戦したモンブラン山群を1周する世界最高峰のウルトラトレイル・デュ・モンブラン。距離は160キロ、上りを合計した標高が9000メートル、トップ選手でも24時間を要するコースで、私の体は壊滅的なダメージを負った。

その時の優勝者はイタリア人のマルコ・オルモだった。38歳の私とのタイム差は3時間で、何と59歳で連覇した。当時の私は40歳を前にして、体力の衰えに悩む日々を送っていた。だが彼の表彰式での堂々としたいでたちは「若造、何を悩んでいる」との語りかけのように思えた。

長年の精進で50歳代で世界規模のレースで頭角を現し、59歳で世界チャンピオンに輝いた。今なお「時を止めた男」の異名で世界中のトレイルランナーに尊敬される。なぜあの年齢でそこまでできるのだろうかという疑問が、寝てもさめても私の頭から離れず、崇拝さえしていた。

レース中は常に厳しい表情だが、普段はわずかな笑みを浮かべている。物腰のやわらかな老紳士といった雰囲気が私の心をつかんだ。ぜひ彼のようになりたいと思い、持久力と年齢の関連を次第に真剣に考えるようになった。

年齢との闘い。私は今年45歳になるが、世界レベルで活躍を続けるには、それが大命題だといえる。筋力、スピード、バランス感覚などは年齢とともに徐々に衰えつつある。しかし悲観ばかりしているわけではない。3年前に気付いたのは、若い時のようにスピードは上がらないが、長時間走り続けても疲れにくい身体へと進化したということだ。いまだ現役にこだわりたい私には光明だ。

スポーツでは一般に加齢で多くの能力が衰えるといわれるが、持久的な能力だけは特別だと感じる。私が講師を務めるトレイルランニングのセミナーでは山を8時間、走り動き回るメニューもある。ランニング歴が2、3年でも定期的にトレーニングを積んでいれば可能で、50歳を過ぎて走り始めた方でもこなす。参加者は一様に自己の持つ隠れた能力に驚いている。

おそらくマルコ・オルモの活躍は、並外れた努力と精神力と集中力もさることながら、年配だからこそ、培うことができた揺るぎない持久力によるものだ。そしてそれは脚力、心肺機能で圧倒的に勝る若い選手をしのいだのだろう。

年を重ねることは決してマイナスではないと、彼は身をもって教えてくれた。私が40歳を過ぎてから安定した公務員生活をなげうち、プロの世界に飛び込むという常識では考えられない選択に踏み切ったのも、彼の影響が大きい。今後どれほどのスター選手が現れようとも、彼は私にとっての希望の星であり、永遠のヒーローであり続ける。(トレイルランナー)

http://goldwinwebstore.jp/planetgreen/athlete/005/p3.html

http://it.wikipedia.org/wiki/Marco_Olmo

http://www.dailymotion.com/video/x99ac0_one-step-beyond-documentary-trailer_shortfilms#.UckrEveCicw


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