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戦後70年談話、アチコチから注文をつけられ、政府もタイヘン [政治・雑感なぞ]

戦後70年談話をどうするか。アチラコチラから注文をつけられて、日本政府もタイヘンである。イソップのロバを連れた親子のハナシのように、アチコチの批判を気にしていたら、しまいには「可哀そうなロバ」に配慮し、脚をしばり、棒にくくり、親子でソレをかつぎ、渡る橋脚から皆して川に落ちるようなことになるやもしれない。

先日のサルのシャーロットちゃん命名事件もソンナものだろう。動物園の問題を、たまさか連絡が取れるからと、ヒマな面々が電話やらメールやら送りつけたのだろう。「英王室に失礼!」「人の名をサルにとは不謹慎!」。「人間はサルから進化した」なぞ平気で受け入れているクセして、人の名をサルにつけたくらいで大騒ぎする。そうしてしまいに、動物園側も、イギリス大使館に問い合わせたらしい。ケッサクである。

だが、戦後70年談話は、国内問題ではない。発表するのは世界に対してである。諸外国に対して、これから日本はどのように責任を果たしていくのかを、明示しようというものだ。そのような機会をわざわざ設けて、アイマイモコなる発言をしてもしようがない。近隣諸国をはじめ世界中の皆さんに、理解され共感を得られるものとなるかどうかが要諦といえよう。


今朝の毎日新聞投稿欄に、70年前、空襲を受けた際、はからずしも友人を見捨てて逃げたことを、思い出しては苦しんでいる方の経験が記されていた。たぶん今でも、目の前に友人の顔や姿が浮かぶのであろう。これまでもきっと、イメージが浮かぶと、とっさに首を振ったり、アタマを叩いたりなぞされてきたにちがいない。

一昨日、水木しげるのことを、当該ブログに記した。水木さんの戦記シリーズに「くーにゃん」というのがある。漢字で「姑娘 」と記す。水木さんが友人から聞いた話らしい。当方未読であるが、他の方のブログでいきさつを知ることができた。その際さらに、そこのリンク集から、「浜田知明の山西省での従軍体験(3) - dj19の日記」というのを見つけた。そこには、若い女の顔が描かれている。(忘れえぬ顔A-2008)

浜田は、中国の黄土地帯で見た光景を、日本兵の行軍とコラージュ風に表した。「日本軍に見つかれば、特に女性はひどいことをされる。我々を見つけた時の少女の顔がどうしても忘れられなかった」。

水木しげる『姑娘』に描かれた皇軍兵士による強制連行と性暴力
http://d.hatena.ne.jp/dj19/20100820/p1

浜田知明の山西省での従軍体験(3) - dj19の日記
http://d.hatena.ne.jp/dj19/20101225/p1


姑娘 (講談社文庫)

姑娘 (講談社文庫)

  • 作者: 水木 しげる
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/08/12
  • メディア: 文庫



70年前、友人を置き去りにした方が、ソレを思い出して苦しんでいる。意図的ではないにしても、助けえなかったことを思い出して、加害者であるかのように苦しんでいる。まして、実際に被害者となり、苦しめられた方や殺された方のご家族・遺族であれば、なおいっそうのこと思い出しては苦しみ、恨んでもきたことであろう。

年数など関係ナイ。まるで、昨日のことのように、「現在」のこととしてソレはヨミガエル。ソレを思い出して、アタマで年数を考慮して、「70年も経過したか、いつまでもウラミに思っていてもしょうがない」と思う方も中にはいるだろう。が、それは被害者側の意識の問題である。加害者側が、「70年も経過したのだから、もはや戦後ではナイ」などと言うべきものではない。「いつまで謝罪すれば気が済むのだ」などという思いは傲慢である。

日本の国土は四方水に囲まれ、森の国で、水に富んでいる。「方丈記」を持ち出すまでもなく、日本人は、核・汚染水でもなんでも、「水に流す」のが得意である。が、諸外国はそうではナイ。

国外向けに発表する戦後70年談話で、諸外国、特に、日本の軍部による「八紘一宇」「大東亜共栄圏」などの掛け声のもと、大きな害をこうむった近隣諸国民の感情を逆なでして、果ては逆鱗に触れ、関係を悪化させるようなことをワザワザするとしたら、それは、ただひとえにバカのみがなしうる所業といえる。

もっとも、「遠い親戚より近くの他人」ということわざを無視するかのように、国民(本土・沖縄)より、米政府に「寄り添い」、「近くの親戚より遠くの他人」をアテにしている日本政府であるからして、何を言い出すやらわかったものではない。

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過ぎ去ったものは、無かったことと見做す日本人の感覚
アチラはチガウ(仏文学者・清水茂先生講演から)
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2008-02-29

「公文書」は「水に流す」モノ?
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2012-03-05

『敗北を抱きしめて』の世界版
(『廃墟の零年1945』 イアン・ブルマ著)
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2015-03-21


浜田知明 よみがえる風景

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  • 出版社/メーカー: 求龍堂
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  • メディア: 大型本



人と時代を見つめて―浜田知明聞書

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  • 出版社/メーカー: 西日本新聞社
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方丈記、平家物語 英文版―THE TEN FOOT SQUARE HUT AND TALES OF THE HEIKE (Tuttle classics)

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  • 出版社/メーカー: チャールズイータトル出版
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 単行本


米研究者ら、戦後70年談話で首相に注文 「偏見なく清算を」
日経新聞ニュースサイト
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM07H2S_X00C15A5FF1000/
2015/5/7 22:11

【ワシントン=吉野直也】米国の日本研究者ら187人が声明を出した。安倍晋三首相が8月に発表する戦後70年談話を念頭に「歴史解釈の問題は日本の成果を評価する上で障害になっている」と指摘。一方で「日本だけでなく、韓国と中国の民族主義的な暴言によってもゆがめられてきた」と記し、日本と中韓両国の双方の努力を促した。

 声明は4日付でエズラ・ボーゲル米ハーバード大名誉教授、ハーバート・ビックス米ニューヨーク州立大名誉教授、ジョン・ダワー米マサチューセッツ工科大名誉教授らが名を連ねた。

 声明では首相に「可能な限り完全で、偏見のない(過去の)清算をしなければならない」と訴えた。従軍慰安婦問題を「否定したり、小さなものとして無視したりすることは受け入れられない」とも強調した。

 先月29日の首相の米議会演説については「人権という普遍的価値、人間の安全保障の重要性、他国に与えた苦しみを直視する必要性について話した。こうした気持ちを称賛し、果敢に行動するよう促す」と述べた。


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