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《 評伝 渡部昇一 「知の巨人」の人間学 》松崎之貞著 を読んで [本・書評]


「知の巨人」の人間学 -評伝 渡部昇一

「知の巨人」の人間学 -評伝 渡部昇一

  • 作者: 松崎 之貞
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2017/10/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



上記書籍を読んだ。

へんなたとえだが、読んでの印象は、以下のようなものだ。

株式相場の動きがまったく予想できず、皆が皆、こぞって市場から逃げを打ち、「売れ」「売れ」「売れ」という時に、皆が捨てた株を拾って「買い」に走るには、たいへんな勇気がいる。それを余裕をもって行うには、株式市場とそれをとりまく環境への該博な知識・情報、それに自分の拾った株が必ず上がるという希望が必要だ。

「評伝」にみる渡部さんの生き方をみていくと、まさに、ソレがデキタ人、と感じる。しかも余裕をもって、である。

インテリと称する人々がこぞって皆、「左」に傾いて論じているときに、その逆を行く。時には、ほかに誰も論じていないことを、ひとり唱える。それで、「保守」だの「右翼」だの言われ、批判・非難もされるが時間の経過とともに、渡部さんの唱えた「異論」の確からしいことが明らかになっていく。

「異論を唱える」根拠は、一種のカンといっていい。だがそれは、動物的なカンではなく、総合的な知識・教養から来るものだ。その背後には処世上の自・他の経験も大きな位置を占める。だから、青臭いだけの話にならない。論議に血が通う。表紙・袖にも記されている「互いにかけ離れた二項をスパークさせ、意想外の論を展開する閃き(セレンディピティ)・・」も、関係しているように思う。

当該書籍には、渡部さんの「論争」史の要約や唱えた論議のバックグラウンドが記されている。また、その生い立ち、思想形成のメンター(師)となった人々も紹介されている。渡部さんとたいへん身近に接してきた著者ならではの逸話も紹介され、たいへん人間味のある渡部像を得ることもできる。これからその著作を読もうという方にとっては、よい読書案内ともなっている。

「知の巨人」と称され尊敬されてきた人物は数多いが、渡部さんは当代の(和漢だけでなく、洋にも通じた)安岡正篤といっていいのではないか、(岡崎久彦氏は安岡を「昭和の碩学」と呼んだが)そのように思う。

渡部さんに倣って、右や左といった立場を超えて、さらに次元の高い論議を言挙げできるようになりたいものである。そのためには、気の遠くなるような血の通った教養が必要であるが、本書は、そのような動機付けを与えてくれる本でもある。

目次:「知の巨人」の人間学 -評伝 渡部昇一 // 松崎之貞著
http://kankyodou.blog.so-net.ne.jp/2017-12-27



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  • 作者: 岡崎 久彦
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2005/06/22
  • メディア: 単行本




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